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コラム2023/01/14
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IT重説とは?不動産取引で導入するメリットを解説

IT重説とは?不動産取引で導入するメリットを解説

こんにちは。「レリーズ」編集部です。

2022年5月に施行されたデジタル改革関連法によって、不動産取引でITを活用した重要事項説明(以下:IT重説)の実施が可能になりました。IT重説を不動産取引で導入すれば、不動産会社視点でもさまざまなメリットがあるため、多くの事業者が運用をはじめています。

今回は、そんなIT重説について、その概要や不動産会社が導入するメリットなどを解説します。IT重説の採用をお考えの不動産会社様は、ぜひ参考にしてください。


IT重説とは

IT重説とは、不動産契約における重要事項説明を、パソコンやスマートフォン、タブレットといったデジタルデバイスを使って行う手続き方法です。IT重説ならZoomなどのビデオチャットを通じて、エンドユーザーに重要事項説明を実施できます。

IT重説で用いるのは、電子化した重要事項説明書です。これまでは、宅建業法により電子化した書類を取引相手への重要事項説明に用いることはできないと規定されていました。

しかし、前述の2022年5月のデジタル改革関連法の施行により宅建業法も改正され、現在は不動産売買領域でも重要事項説明書の電子化が認められています(※1)。

国土交通省が実施したIT重説の運用試験

不動産領域におけるIT重説自体は2021年に解禁されてはいたのですが、その時点では重要事項説明書の発行が紙のみと規定されていたままだったため、本格的な全面解禁は2022年のデジタル改革関連法を待つこととなります。

IT重説はいきなり解禁された訳ではなく、国土交通省は、2015年から不動産賃貸契約においてIT重説の社会実験を行っています(※2)。

その後、不動産売買領域でもテスト運用が実施され、2017年には先んじて賃貸領域での本格運用がスタートしています。最終的に、不動産取引全般のデジタル化に向けて、不動産売買領域でもIT重説が解禁され、現在の形になりました。

IT重説の運用ルール

IT重説の実施にあたって、事前登録などは必要ありません。IT重説に必要な環境や運用体制を構築すれば、すべての不動産会社で活用できます。

しかし、国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(不動産業課長通知)」などで説明されている要件を満たさなければ、IT重説は対面による重要事項説明と同様に取り扱われません(※3)。

さらに、IT重説はZoomなどのビデオチャットを使って行うと前述しました。その最中に映像や音声に支障が生じた場合は、直ちに説明を中断する必要があり、説明の再開は、不具合が解消されてからでなければならない点も踏まえておきましょう。


IT重説導入の流れ

IT重説を自社で不動産取引に導入する場合の流れとしては、大別すると以下の3ステップです。

  • Step1.エンドユーザーに必要書類を送付する
  • Step2.オンラインで重要事項説明を行う
  • Step3.取引書類の手続きを実施する


以下より、詳しくみていきましょう。

Step1.エンドユーザーに必要書類を送付する

IT重説を行う際には、重要事項説明に使用する書類を、説明相手であるエンドユーザーに送付しておく必要があります。従来は、重要事項説明書の電子データによる送付はできなかったのですが、前述のデジタル改革関連法の改正により、オンライン送付が可能になりました。

Step2.オンラインで重要事項説明を行う

エンドユーザーとのスケジュール調整ができたら、オンラインでの重要事項説明を行います。この際、不動産会社、エンドユーザーともに「デバイスの映像を視認できる」「音声を聞き取れる」「やり取りが問題なくできる」との状態でなければなりません。

そのため、IT重説を実施する際には、事前に自社だけでなくエンドユーザー側のインターネット環境についても確認をとっておきましょう。

Step3.取引書類の手続きを実施する

IT重説が終了し、電子化した重要事項説明書や契約書類について、エンドユーザー側で内容確認・記名押印してもらったうえで、1部をエンドユーザーから返送してもらえば、手続きは終了です。この後、実際の売買契約手続きに移ります。

前述のとおり、2022年5月より重要事項説明書の電子契約も可能になりました。それまで、書面での押印作業は郵送でのやり取りが発生していましたが、IT重説後にそのままオンラインでの電子契約の取り交わしが可能になりました。


不動産取引でIT重説を導入するメリット

不動産取引実務においてIT重説を導入するメリットとしては、「取引スピードがアップする」「録画をするためトラブル防止に繋がる」などがあげられます。

取引スピードがアップする

エンドユーザー側でもあらかじめIT重説のための環境が整っていれば、重要事項説明をスピーディに終わらせることができます。

これにより、契約締結までよりスムーズに進められますので、不動産取引に必要な時間を大幅に短縮可能です。さらに、電子契約を導入すれば契約書への捺印作業や郵送の手間もなくなるため作業効率が上がり、エンドユーザーからしても日程調整や事前準備もしやすいでしょう。

録画をするためトラブル防止に繋がる

IT重説をZoomなどのビデオチャットで実施すれば、そのまま重要事項説明の様子を録画できます。これにより、後々「説明に内容に不備はなかった」とも証明しやすくなりますので、トラブルが発生する可能性を減らせます。


不動産取引でIT重説を導入する際の注意点

以上のような導入メリットがあるIT重説ですが、一方で自社で運用する際には以下の点に注意しておく必要があります。

  • 社内でIT重説運用の体制を整える必要がある
  • 環境次第では実施が難しい


次項より、個別にみていきましょう。

社内でIT重説運用の体制を整える必要がある

IT重説の導入では、社内でIT環境を整えたり、社内規定を再定義したりする必要があります。さらに、IT重説関連業務の属人化を防ぐため、社内におけるIT重説に関する社員研修も求められます。

なお、国土交通省ではIT重説運用にあたって、踏まえておくべき事柄をまとめた「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアルを公開しています(※4)。

IT重説運用にかかる社内体制の構築では、こちらも参考にしましょう。

環境次第では実施が難しい

前述のとおり、IT重説の実施時には、通信環境次第では途中で途切れてしまう可能性が懸念されます。

IT重説を実施中に通信環境が悪くなった場合にはただちに中止し、その後あらためてIT重説を行う必要があります。その点について、あらかじめエンドユーザーに対して注意喚起をしておかなければなりません。

さらに、エンドユーザー側で利用するデバイスの画面の大きさや性能次第では、図面などの資料の定時が難しい場合がある点にも留意が必要です。


まとめ

不動産取引でデジタルデバイスを使って重要事項説明を行うIT重説を採用すれば、よりスムーズな取引が可能になるなどのメリットがあります。

一方で、IT重説を実施するにあたっては、IT重説を運用するための社内体制を構築したり、エンドユーザー側のインターネット環境やデバイスの仕様に配慮をしたりしなければなりません。

IT重説を不動産取引で活用する場合、電子契約とのセット運用がベターとなります。電子契約とは、従来は紙の書類で行っていた契約手続きについて、電子化した書類を用いて行う手続き方法です。

レリーズ電子契約」は、不動産売買領域に特化した電子契約システムです。国土交通省のIT重説運用に関するマニュアルへの対応はもちろん、不動産取引実務の観点からシンプルでありつつも簡便な使い勝手のシステムとなっています。


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<参考>(※URL最終閲覧2022年8月10日)
※1 デジタル庁「法令」https://www.digital.go.jp/laws/

※2 国土交通省「ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について」https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/soseiconsttk3_000092.html

※3 国土交通省「宅地建物取引業法 法令改正・解釈について」https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/16bt_000268.html

※4 国土交通省「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル」https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001479770.pdf

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