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コラム2023/02/16
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話題の不動産テックとは?活用するメリットや代表的なサービスについて徹底解説!

話題の不動産テックとは?活用するメリットや代表的なサービスについて徹底解説!

こんにちは。「レリーズ」編集部です。

昨今はデジタル技術の発展が目覚ましく、テック系企業によるサービス創出が続いています。不動産業界においては「不動産テック」という言葉とともに、不動産取引実務やエンドユーザーの利便性を向上させるソリューションが多数生まれています。

本稿では、不動産テックについて、カテゴリーや活用メリット、現状の課題について、包括的な視点から解説します。不動産テックについて論考を深めたいとお考えの担当者さまは、ぜひお役立てください。

不動産テックとは何か?

そもそも不動産テックとは、「不動産 ×テクノロジー」という2単語をかけ合わせた造語です。海外では不動産を意味するReal Estateからとって「ReTech(リーテック)」。あるいは、資産を意味するProperty合わせて「Proptech(プロップテック)」と呼ばれています。

不動産テックは、不動産業界の業務効率化やエンドユーザーの体験価値向上の側面から貢献する技術全般を指し、一般社団法人 不動産テック協会は以下のように定義しています(※1)。

“不動産テックとは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのこと”

不動産テックのここ数年の動きとしては、海外や新興ベンチャー企業を中心に、多くの企業が参入・撤退を繰り返しています。直近は「シェアリングサービス」「クラウドファンディング」「IoT」「VR」などのテック系サービスが、新領域として注目を集めました。

不動産テック協会は領域ごとにカオスマップをカテゴリー分けしており、以下のように多くの領域で、さまざまなテック系企業がサービスを提供しています。

不動産テックカオスマップ

引用:一般社団法人不動産テック協会

このように、日本においても幅広いサービスがある不動産テック。全てではなく、一部のみでも、いずれかのサービスを利用している不動産会社は多いのではないでしょうか。

さらに、2022年に公開された最新第8版では、それまで「仲介業務支援」だった分野がさらに細分化され、「集客」「顧客対応」「契約・決済」に分けられたことも印象的です。

不動産テックカオスマップの変遷

急成長する日本の不動産テック市場規模

日本における不動産テック市場は、近年拡大傾向にあります。矢野経済研究所の発表している調査内容によれば、2025年度には2020年度比で200%を超える伸びをみせ、約1兆2,500億円規模のボリュームになるとのこと(※2)。


日本の不動産テック市場

引用:矢野経済研究所「不動産テック市場に関する調査を実施(2021年)

新型コロナウィルス感染拡大に伴う「リモートワークの普及」「感染症対策の必要性」も相まって、不動産テックは発展を続けています。

もちろん、“現場”ありきの業界であるため、その他のIT市場のように急速な浸透は難しいという意見もあるでしょう。しかし、2022年8月に発表された最新版第8版カオスマップでは、掲載サービスが430件でした。この件数はわずか数年間で右肩あがりを続けているため、市場が右肩成長を続けていることがわかります。

不動産テック業界を取り巻く環境

カオスマップのとおり、不動産テックに定義されるシステム・サービスは多岐にわたります。不動産取引実務に直接的なインパクトを与える「管理・仲介業務支援サービス」のほか、AIによる「査定サービス可視化「マッチング推進」など、さまざまなものが存在しているのが現状です。

前述のコロナ禍だけでなく、「法改正による規制緩和」「不動産価格の高騰」「日本におけるDX推進の流れ」も合わさり、業界的には追い風が吹いているといえます。不動産業界は市場そのものが40兆円にものぼる巨大マーケットであることから、業界内でのIT活用も他業界に比べて非常に高いポテンシャルを秘めているのです。

不動産業界でIT活用の機運が高まれば、テック系サービスの発展速度は、より加速化するかもしれません。

不動産テックを活用するメリット  

不動産業界がテック系サービスを活用するメリットとしては、次のようなものがあげられるでしょう。

  • 業務フローの効率化
  • コスト削減
  • サービスの質の向上


以下よりは、それぞれについて詳しく解説します。

業務フローの効率化

近年の不動産業界では「労働力不足」の問題が叫ばれていますが、不動産テックの各サービスを導入すれば、煩雑な不動産取引実務を大幅に効率化できるでしょう。

例えば「非対面対応による契約手続き」「追客業務の自動化」を実現できれば、大幅な負担軽減につながるでしょう。

コスト削減

不動産テックサービスを有効活用すれば、導入・利用にかかる費用を差し引いても、事業全体でみた場合のコストカットが可能です。

例えば、当社(GOGEN株式会社)が電子契約サービス「レリーズ」を導入いただいた不動産会社さまでは、「6件の売買契約で30万円のコストカット」を実現されています。

サービスの質の向上

近年は、エンドユーザーの「オンラインにおける情報収集」「非対面での営業対応・契約手続き」のニーズは高まっています。

アナログ文化が根付いているといわれる不動産業界ですが、こういった多様化するユーザーのニーズに応えるため、不動産テックを導入すれば、自社のサービスの質をさらに向上させられるでしょう。

不動産テックで注目すべき8カテゴリー

前述したとおり、2023年現在は不動産テックのカオスマップが12の領域に分けられています。当編集部としては、その中でもとりわけ下記の8カテゴリーが、不動産会社視点では重要度・貢献度が高いと考えています。

  • ローン・保証
  • 業務支援 - 管理・アフター
  • 業務支援 - 集客/顧客対応/契約・決済
  • 不動産情報
  • 物件情報・メディア
  • 価格可視化・査定
  • クラウドファンディング
  • VR・AR
  • リフォーム・リノベーション


理由としては、上記カテゴリーのサービス群がいずれも「不動産会社の実務を効率化する」という観点で導入した場合のインパクトが大きいためです。それぞれの概要については、以下より解説します。

1:ローン・保証

「ローン・保証」のカテゴリに該当するテックサービスは、借り換えや査定のサポート、ローンのシミュレーション機能などによって、エンドユーザー側のローン選びを補助するサービスが多く区分されます。

例えば、iYell株式会社の提供する「いえーるダンドリ」もその1つです。

不動産テックのいえーるダンドリ

引用元:いえーるダンドリ

同サービスでは、住宅ローンの提案から、エンドユーザーの申し込みまでノウハウ豊富な専門家が専門家がサポートすることで、不動産取引全般のリードタイムを短縮可能。

全案件の進捗が一目でわかる「ローン進捗管理機能」や手軽に3者間コミュニケーションを取れる「チャット機能」に加え、「住宅ローン電卓機能」「タスク・予定共有機能」「ローン進捗管理機能」といった機能により、煩雑なローン関連の手続きを大幅にスリム化します。

2:業務支援 - 管理・アフター

顧客情報の管理、運営支援により、不動産会社の物件管理を支援するのが「管理業務支援」のテックサービスであり、ツールだけでなく支援機能付きのWebサイトも該当します。最新版となる第8版では「業務支援 - 管理・アフター」と定義されるカテゴリです。

不動産会社視点で役立つツールとしては、「WealthPark(オーナー管理アプリ)」が代表的。

不動産テックのWealthPark(オーナー管理アプリ)

引用元:WealthPark(オーナー管理アプリ)

WealthParkビジネスは、不動産管理会社・不動産オーナーをつなぐための、クラウド型業務支援アプリです。 「不動産管理会社はクラウド型システム」「オーナーは専用アプリ」を利用することで、収支報告や売買提案などのやり取りが簡単かつスピーディに行えます。

さらには、株式会社estiの提供する「esti pro(エスティ・プロ)」も、不動産業界では話題になっています。

不動産テック「esti pro」

引用:esti pro

esti proは「オーナー・管理会社・元付仲介会社」のオフィス空室情報と、客付仲介会社を繋ぐためのプラットフォーム。従来のレポートではわからなかった情報が参照になるため、不動産ビジネスにおけるデータ分析をより柔軟に行えるようになります。

3:業務支援 - 集客/顧客対応/契約・決済

以前まで「仲介業務支援」であった「業務支援 - 集客/顧客対応/契約・決済」に属するテック系サービスは、不動産売買や仲介業務の効率化を図るためのものが多く内見予約や見込み顧客の分析といった機能を活用可能です。

代表的なサービスとしては株式会社Housmartの「Propo Cloud」があげられます。

不動産テックのPropo Cloud

引用:Propo Cloud

Propo Cloudは「物件提案メールの定期的な自動配信」「顧客反応を数字で見える化」といった機能により、長期的な顧客フォローを実現し機会損失のリスクを軽減。従来は多くの時間を要していた追客実務を、大幅に効率化できるでしょう。

当社も、不動産売買特化型の電子契約システム「レリーズ」を提供していますが、不動産テック協会によれば、電子契約も仲介業務支援のカテゴリに該当します。

不動産テックの電子契約サービス「レリーズ」


従来の紙の契約書から電子契約に置き換えれば「ワークフローの効率化」「印紙代のカット」といったメリットがあります。
電子契約について、詳しくは以下の記事もご参照ください。

関連記事:不動産取引における電子契約とは?日本初の事例も交えて解説

4:不動産情報

「不動産情報」系のテックサービスは、物件情報を除く不動産関連のデータを提供・分析するためのシステム群です。

例えば、マンションリサーチ株式会社の閲覧・価格比較サービス「不動産DATA CLOUD」が代表的。



不動産テックの不動産DATA CLOUD

引用:不動産DATA CLOUD

不動産DATA CLOUDには、日々Web上に掲載される方法や提携先企業から自動取得した取引事例が多数掲載されています。「◯丁目単位」「マンション名単位」で細かく事例のセグメントも可能で、不動産会社が商圏拡大させたい場合のリサーチで貢献するでしょう。

5:物件情報・メディア

「物件情報・メディア」の不動産テック領域には、「物件情報を網羅的に掲載するサービスやプラットフォーム」「不動産に関連するメディア」全般がカテゴライズされています。

近年は不動産情報サイトや物件データベースに加え、不動産投資のお役立ち系メディアなど、幅広いものが追加されました。単なる物件情報の掲載にとどまらず、不動産購入に関する知識や専門家によるアドバイスなどを提供するメディアも存在します。

投資用物件情報サイトの一例をあげれば、株式会社Speeeの会員制家探しサイト「Housii」が代表的です。

不動産テック「Housii」

引用:Housii

Housiiは、匿名で会員登録後に、希望に合わせて不動産会社から提案が専用チャットで届く完全会員登録制の提案型サービス。エンドユーザーにとっては家探しの負担が大きく削減されることで、不動産会社との接触頻度もアップすることでしょう。

このように、市場にプレイヤーを増やし、活性化を促すサービスも、間接的ではありますが不動産会社にとっても利益があります。

6:価格可視化・査定

「価格可視化・査定」は、データ活用を通して不動産価格や賃料の査定、その将来見通しなどを行うシステム・ツールが振り分けられています。なお、不動産の価格や価値を算出するためのサービスに限定されているため、いわゆる一括見積もりのようなサイト・システムは含まれません。

価格可視化・査定のテック系サービスの例として、リーウェイズ株式会社の「Gate(投資向け)」を紹介します。

不動産テック「Gate」

引用:Gate(投資向け)

Gateは、2億件の不動産ビッグデータを用いて、賃料や利回り、空室率、価格を現在から50年先まで高精度に査定。AI査定や周辺事例などの客観的な情報を提案に活用することで、エンドユーザーの決断を促進するサービスです。社内共通のツールとして活用すれば、査定スキルの平準化や提案スピードのアップを図れるでしょう。

一般の宅地用物件の査定では「AI査定プロ(一般居住用)」もメジャーな存在です。


不動産テック「AI査定プロ(一般居住用)」

引用:AI査定プロ(一般居住用)

AI査定プロは媒介契約獲得の「スピード感」「信頼性」を高めるための不動産査定書作成システムで、大量の一括査定を行った場合も最短45秒で作成が完了。大幅なリードタイムの短縮になります。

7:クラウドファンディング

「クラウドファウンディング」領域のテックサービスは、個人を中心とした投資者からWeb上のプラットフォームで資金を集め、投融資を行う。あるいは、不動産事業を目的とした需要者と投資家をマッチングさせるといった活用が行われています。

LAETOLI株式会社が運営する「COZUCHI」もその代表例です。


不動産テックのCOZUCHI

引用:COZUCHI

COZUCHIでは、サービス提供側が厳選した不動産に、インターネットを通じて集まった多数の投資家は不動産の専門家と一緒に投資を実施。家賃収入や売却利益をもとに、投資家へ配当するというサービスです。

投資家視点でみれば、投資後はプロに判断を委ねられるため、参入障壁の引き下げに繋がっているシステムといえます。

8:VR・AR

近年は「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」の3種類をまとめたXR技術の進歩により、さまざまな業種で仮想空間によるサービス設計が行われています。

「VR・AR」の機器を活用したテック系サービスでは、VR技術を活用して物件を疑似的に内見できるシステムや、AR技術で家具の色や材質、配置を変えたシミュレーションを提供するサービスが存在します。

代表例として、空間データ活用プラットフォーム「スペースリー」についてみてみましょう。


不動産テックのスペースリー

引用:スペースリー

スペースリーは360度VRコンテンツを、専門的な知識がなくても簡単に制作・編集できるクラウドソフトウェア。撮影したパノラマ写真や3DCGデータをクラウドにアップロードするだけで、高品質のVRコンテンツを自動生成してくれます。

自社サイトや不動産メディアにパノラマVRを掲載する機能もあり、同サービスを導入した企業の一例では「従来より反響率が2倍になった」と、集客効果が大幅アップしたとのことです。

9:リフォーム・リノベーション 

「リフォーム・リノベーション」系に該当するテックサービスは「企画設計や施工のサポート」「業者間のマッチング」をWebプラットフォームやアプリ上で支援するものが該当します

近年は、居住用物件の「新築信仰」がエンドユーザーの間で薄れてきていることを受けて、参入企業が増えているテック系サービスです。

デベロッパー向けのテックサービスとしては、施工管理アプリ「​​アンドパッド」が代表例でしょう。


不動産テックのアンドパッド

引用:​​アンドパッド

ANDPADは、現場の効率化から経営改善まで一元管理できる施工管理アプリ。現場のコミュニケーションをチャットアプリで行い、デバイスを使って施行スケジュール・図面などを管理することで業務の円滑化を図れます。

海外市場の不動産テック市場例

日本の不動産テックの現状については以上の通りです。ここからは、海外における不動産テックの事例を紹介します。

アメリカ市場の事例

アメリカは「不動産テックの先進国」ともいわれ、多くのテック系企業によるサービスの創出が続けられています。英Unissuの調査によると、2019年時点で、アメリカでは人口100万人あたり約6社の不動産テック企業が存在するとのことです(※4)。

同調査によると、不動産テック企業がサービスを提供する領域は以下の内訳となっています。

  • 住宅部門(residential sector)…60.04%
  • 商業部門(commercial sector)…49.84%
  • 小売部門(retail)…11.50%


さらに、アメリカの不動産テック企業の69.37%がB2B、26.85%がB2Cに重点を置いているとのこと。

アメリカ不動産テック市場のトレンド

引用:Unissu「Real Estate Technology (ReTech) And PropTech In The USA - Overview

そんなアメリカの不動産テック市場では、「家を売りたい人」と「家を買いたい人」を見つけて意見をヒアリングし、契約を取りまとめる「iBuyer」と呼ばれるビジネスモデルが盛んに行われています。

アメリカの不動産テック企業としては「不動産テック業界のGAFA的存在」といわれる「ZORC」に属する4サービス(Zillow、Opendoor、Redfin、Compass)が有名です。

関連記事:【2023年版】アメリカの不動産テック市場に関する調査と論考|注目の企業はどこ?
 

中国市場の事例

近年、中国市場では多くの企業が不動産テック領域に参入しており、多数の不動産プラットフォームやテック系サービスが供給されています。

前述のUnissuの別の調査によると、アジアに存在する548社の不動産テック系企業のうち、約3割となる144社が中国企業とされていることからも、その規模感の大きさが伺えるでしょう(※5)。

中国の不動産テック企業数

引用:Unissu「Global PropTech Analysis: Asia

中国の不動産テック市場を牽引しているのが、中国全土32都市に8,000店の直営店を構える不動産大手Homelink(链家)です。同社は、新築や中古、賃貸などの物件マッチングに加え、リゾート不動産・海外不動産のマッチングサービスまで幅広く提供しています。

近年は、株式会社LIFULL(ライフル)と業務提携したことでも業界内で話題になった企業であり、日本市場への影響力も今後強まるかもしれません。

不動産テックを利用するための業界内の課題

以上はあくまで“不動産テック市場”に焦点を当てた話です。では、それを利用する側の不動産業界そのものはどうなのでしょう。

結論をいえば、不動産テック活用に関してはいくつか課題があるのが実情です。以下より、代表的なものについて論考します。

テックサービス導入が必要とされる不動産業界は、どのような課題を抱えているのでしょうか。代表的なものとしては、以下があげられます。

  • アナログデータのデジタル化が遅れている
  • テックサービスが「ただ増えすぎている」状態


次項より、個別に解説します。

アナログデータのデジタル化が遅れている

不動産企業の現状として、業界内外でよく聞かれるのが「不動産業界全体でのデジタル化の遅れ」です。不動産業界でデジタル化が遅れている原因の1つに、改正前の宅建業法が挙げられるでしょう。

デジタル改革関連法によって2022年5月に改正されるまで、宅建業法で不動産契約時の口頭と書面での重要事項説明や契約行為が義務付けられていました(※3)。それもあり、2023年現在でも不動産業界ではアナログ文化が根強く残っているのが現状です。

さらに、現状の不動産システムでは不動産の取引履歴や維持・管理状況、リフォーム履歴、成約価格などについてデータベース化されておらず、業界全体での情報共有の仕組みが整っていない点も、度々デジタルシフトが遅れている要因として言及されます。

このような業界全体の事情もあり、不動産テック事業への参入を見送っていた業界外企業もいると聞かれるほどです。

関連記事:不動産会社のDXは「課題起点」の意識が重要|取り組みの“定石”が存在しないワケ

テックサービスが「ただ増えすぎている」状態

前述のとおり、あらゆる領域で不動産テックサービスが増えていますが、各領域は独立しているきらいがあるため個々にサービスを導入・運用するしかないのが現状です。サービスそのものの分母も多いことも相まり「どのツールを選んでいいかわからない状態」に陥っている不動産会社は少なくないのではないでしょうか。

さらに、自社でツールを導入したとしても、それを扱うためのナレッジ(社内知)が形成されていないという、運用上の課題もあります。

最新テクノロジーの導入を成功させるためには、既存の組織基盤・体制から変革しなければなりまません。これを、組織構造や戦略などを表す3つの「ハードS」と、それを実行するのに必要な「ソフトS」に分けた、マッキンゼーの7Sモデルに当てはめて考えてみましょう。

 不動産テック活用で重要なマッキンゼーの7Sモデル


多くの不動産会社がつまづくのは「ハードのSのみが整った状態であり、肝心のソフトのSが未整備なままであるため、運用が進まない」という課題です。

テックサービスの導入・運用に必要な戦略や組織体制と基盤部分は、ハードSに分類されます。不動産会社のテックサービスの活用では、しばしばこのハードSを整えた“だけ”で運用体制が構築されたと誤解されるケースは多々あるでしょう。

今後の不動産テック市場はどうなる?

同ブログでもたびたび解説しているとおり、2022年5月の宅建業法の改正により、不動産契約に関わる書類の電子化が全面解禁されました。それにより不動産テックが普及しやすい土壌も整ってきているといえるでしょう。

実際、領域により差はあるものの、拡大・成長フェーズに入っている不動産テックカテゴリも多く存在します。

不動産テックの成長曲線


前述の矢野経済研究所の調査では。不動産テック市場規模は2025年度には2020年度比203.9%の1兆2,461億円に拡大すると予測されています。

この内、エンドユーザー向けサービスのBtoC領域は「1兆17億円」で、不動産会社向けサービスのBtoB領域は「2,445億円」とのこと。BtoB領域に傾いているアメリカ不動産テック市場とは比重が異なる予測から、日本の不動産業界の性質が垣間見えるのではないでしょうか。

とはいえ、不動産テック4社・2メディアが調査したデータによると、調査対象の98.4%の不動産会社が「DXを推進すべきだと思う」と答えていることからも、不動産テックの各種サービスの採用に前向きなことが伺えます。

不動産テックに対する意識調査

引用:PR Times「2022年、不動産DX『推進すべきだと思う』が98.4%「DXの効果を実感」は70.7%、最も導入を検討されているのは『電子契約システム』

以上を踏まえると、今後は不動産テックの発展はさらに加速していくと予想できます。しかし、前述のとおり不動産テックの各種サービスは“ただ導入する”だけでは、効果的な運用は難しいのが実情です。

不動産テックの今後の発展は「サービスの提供側企業の不動産業業界に対する理解、技術発展」だけでなく、「不動産業界内におけるITリテラシーの高まり」も不可欠だといえるでしょう。

関連記事:宅建業法改正のポイント|電子契約の解禁で不動産取引はどう変わる?

まとめ

不動産テックは細かいカテゴリーに細分化されており、毎年さまざまなサービスが誕生・撤退を繰り返しているため、変化の激しい領域です。導入領域は各社各様であるとは思われるものの、いずれのサービスも不動産業界の推進に大きく貢献するものばかりといえます。

ただし、不動産テックを活用し、デジタルシフトを果たすためにはシステムをただ導入するだけでは不十分です。最新のテクノロジー採用によるインパクトを創出するためには、自社の課題を明確化したシステム選びと運用体制の構築が求められるでしょう。

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<参考>(※URL最終閲覧2023年1月31日)
※1 不動産テック協会 https://retechjapan.org/retech-map/

※2 矢野経済研究所「不動産テック市場に関する調査を実施(2021年)」https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2770

※3 国土交通省「ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について」https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/soseiconsttk3_000092.html

※4 Unissu「Real Estate Technology (ReTech) And PropTech In The USA - Overview」https://www.unissu.com/proptech-resources/proptech-retech-in-the-usa

※5 Unissu「Global PropTech Analysis: Asia」https://www.unissu.com/proptech-resources/global-proptech-analysis-asia

※6 PR Times「2022年、不動産DX『推進すべきだと思う』が98.4%「DXの効果を実感」は70.7%、最も導入を検討されているのは『電子契約システム』」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000031809.html

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